2018年2月26日月曜日

音楽

・アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921年3月11日 - 1992年7月4日)
・ガルデル Carlos Gardel
[1887―1935]
アルゼンチン・タンゴの歌手。12月11日、フランスのトゥールーズに生まれる(異説もある)。4歳のとき母とともにブエノス・アイレスに渡り、働きながら歌とギターを習得して、1910年に歌手としてデビュー。11年ホセ・ラサーノと出会い、二重唱を組んで成功を収めた。のちソロ歌手として独立、17年『わが悲しみの夜』を録音して人気スターとなった。以後、レコードや映画に華々しい活躍を続け、不世出のタンゴ歌手として名声を博したが、35年6月24日、コロンビアのメデリン空港で飛行機事故で急逝した。
[永田文夫]

ガルデール Carlos Gardel 1890?-1935

アルゼンチン・タンゴの歌手,作曲家。フランスのトゥールーズで生まれ,2歳のとき母につれられてブエノス・アイレスに移ったとされるが,出生については異説がある。1912年ごろから民謡歌手として評判になり,17年にタンゴ《わが悲しみの夜》を歌ってセンセーションを起こした。これはそれまで軽快なダンス音楽にすぎなかったタンゴを一変させたほどの,深い哀愁をたたえた名唱だったが,以後ガルデールは人生のドラマを感じさせる数々のタンゴを歌い,2000曲以上のレコードを録音,8本の映画に出演してアルゼンチン最大のスターとなった。ハリウッド映画にも出るなど人気が国際的に広がりだした矢先,コロンビアでの飛行機事故で急死した。
[中村 とうよう]


・フォックストロットfoxtrot

1910年代の中ごろ盛んになったアメリカの社交ダンスで,またその演奏リズム,音楽をも指した。中庸テンポの4拍子の音楽に合わせて,2人が組んで踊るもので,その後の社交ダンスの中心となり,ダンス音楽の代名詞ともなった。ジャズやポピュラー音楽にも大きな影響を及ぼしたが,今日では演奏リズムや音楽に対してフォックストロットの名は用いられなくなり,もっぱら社交ダンス用語となっている。
[中村 とうよう]

フォックス・トロット ふぉっくすとろっとfox trot

ダンス音楽用語。元来は中庸テンポの4/4拍子で演奏されるジャズやポピュラー音楽のリズム、あるいはその音楽で踊られる社交ダンスのステップに対する呼称。1910年代に動物の歩く速度にヒントを得てつけられたもので、ほかにもターキー・トロットturkey trotとかキャメル・ウォークcamel walkなどとよばれるステップも生まれたが、10年代中ごろアメリカで大流行したのがフォックス・トロットで、ヨーロッパや日本でも流行し、ダンス音楽の代名詞ともなった。現在では演奏リズムに対する呼称として使われることはなく、社交ダンス用語として使われているにすぎない。
[青木 啓]

ミンストレル・ショー
minstrel show
1820年代に成立したアメリカの芸能。黒人奴隷の生活を類型的に描いた歌,踊り,寸劇などからなり,顔を黒く塗った白人によって演じられたが(この手法をブラックフェースと呼ぶ),後には黒人自身も演じるようになった。バージニア・ミンストレルズ,クリスティ・ミンストレルズなどの一座が有名で,ショーボートなどでも演じた。初期の最も重要な芸人はライスThomas Dartmouth Rice(1808-60)で,彼が自分の歌と踊りにつけたジム・クローという名は,ミンストレル・ショーの重要な登場人物の名となり,さらに黒人一般を指す差別的な言葉として定着した。ミンストレル・ショーに現れた黒人像は,白人大衆の恣意的想像力が生んだ現実離れしたものだが,他方,このジャンルはミュージカルの先行形態の一つとして重要である。とくにS.C.フォスターの《ケンタッキーのわが家》《オールド・ブラック・ジョー》をはじめ,ミンストレル・ショーから広まったポピュラー・ソングは多い。19世紀中葉にはいくつもの一座によって演じられたが,世紀末に至ってしだいに衰えた。
[喜志 哲雄]

ラグタイム
らぐたいむ
ragtime
アメリカのピアノ音楽。1890年代の中ごろ、ミズーリ州シダリアおよびセントルイスのクラブや酒場の黒人ピアノ奏者の間でおこった。スタイルとしてはシンコペーションによるリズミックな魅力に特色がある。作曲は楽譜に記され、即興演奏は許されず、譜面どおりに演奏する。ヨーロッパ音楽と黒人音楽の最初のみごとな融合として歴史的に重要な意義のある音楽で、ジャズの母体の一つにもなった。ピアノ奏者スコット・ジョプリン(1868―1917)が作曲した『メイプル・リーフ・ラグ』(1899)の大ヒットもあって1910年代にかけて流行。72年に再注目され、73年の映画『スティング』にもジョプリン作曲『ジ・エンタテイナー』が使われた。
[青木 啓]

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